金融自由化、国際化、規制緩和が急速に進展する中で、銀行の抱えるリスクもまた複雑、多様になってきています。そのため、信用リスク(貸出先の倒産等による貸倒れリスク)や事務リスクに加えて市場リスク(金利、価格、為替相場の変動リスク)や流動性リスク(安定的な資金調達に関わるリスク)、さらにはシステムリスク、法務リスク等、様々なリスクを適切にコントロールしていくことは経営課題としての重要度を増してきています。名古屋銀行においては、リスク統括部をリスク管理統括部署としてリスク管理態勢を整備し、銀行業務で発生する各種リスクの認識・制御の手法の高度化に努め、適切なリスク管理を通じて経営の健全性と安定した経営基盤の確立を図っています。
当行のリスク管理体制
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信用リスク管理と審査体制
一定の基準を超える案件については本部審査部門の専門スタッフが個別案件毎に、より高度な審査・管理を行い、貸出資産の健全性の維持・向上を図っています。
また、四半期毎に当行全体の貸出構成について分析・検討し、貸出先が特定の業種やお取引先に偏ることのないよう、地域の中小企業・個人のお客さまを中心とした幅広い運用を行うよう常に心掛けております。
その他には、信用リスク計量化システムを導入し、貸倒れ発生の将来予測や、その減少のための方策について多面的に検討を行い、それを実践するとともに、審査能力・信用リスク管理能力アップのため、定期的な審査研修や本部スタッフによる臨店指導を行っています。
市場リスク管理及び流動性リスク管理
有価証券やデリバティブ取引を中心とした市場リスク管理については、各商品のBPV(※1)、 VaR(※2)を毎日算出し、現状におけるリスクテイクの状況を経営陣に 報告・管理する体制をとっています。また、流動性リスク管理については、安定した資金繰りを最優先に考え、 日次、週次、月次ベースでの管理を行っています。
※1:BPV(ベーシス・ポイント・バリュー)=金利商品については該当通貨のイールドカーブが0.1%上昇した場合、株式は、TOPIXが10%下落した場合の保有ボジションの評価損益の変動値。
※2:VaR(バリュー・アット・リスク)=保有ポジションが一定の期間内に被りうる最大損失額を過去の実績から統計的手法により算出した推定値。
ALM体制(資産と負債の総合管理体制)
経営上重要な位置付けにあるALMを、経営陣主導による「ALM委員会」を中心に運営しています。毎月開催される委員会は、市場リスク、信用リスクなどのリスクを、ギャップ分析、シミュレーション、BPV、VaRなどの多面的な分析により的確に把握した上で、そのリスクのコントロール手法について研究する、あるいは、業務ごとのリスク控除後の収益性を評価して、経営資源を集中的に投入する分野を検証するといった作業を通じて、ALM運営にかかる重要事項を協議・決定しています。また、委員会の下部には毎週開催の「ALM作業部会」を組織し、関連部の実務担当者が、ALMに関連する問題を現場の視点からリアルタイムで検証して、委員会に報告・提言する体制としています。
こうした恒常的なALM運営体制の充実に加え、昨今は「統合的リスク管理手法※3の高度化」を重点課題と捉え、新たに専門の検討部会を設置するなど、積極的に推進しています。統合的リスク管理手法を経営管理ツールとして運用可能なレベルにまで高めることにより、リスク管理のさらなる高度化、経営効率の一層の向上が図れると考えています。今後も、このような健全性確保・収益性向上に向けた取組体制を強化していく方針です。
※3:統合的リスク管理手法とは「自己資本などの体力に合わせて各業務別・部署別にリスクテイクの範囲を設定し、その範囲内でのリスクテイクを一定期間実施した後、それによって得られた収益を、リスク調整後収益指標を用いて部門ごとに分析評価した上で、収益性・効率性の比較的高い分野に経営資源をより多く再配分する」というプロセスを継続的に実行することによって、健全性確保・収益性向上の2つの目的を実現していくことを意図した経営管理の一手法です。
オペレーショナルリスク管理
様々な人為的または技術的エラーによって損失が発生するリスクをオペレーショナルリスクといいます。
具体的には、事務処理プロセスにおいて、役職員が故意または過失による事務ミスにより事故やトラブルが発生し損失を被るリスク『事務リスク』、当行が保有している情報の漏洩や改ざん、コンピュータシステムのダウンまたは誤作動等の障害に伴い損失を被るリスク『システムリスク』などがあります。
名古屋銀行では、お客さまからの信頼を得るために、コンピュータシステム面では銀行業務の基盤となる情報システムの安定稼動およびセキュリティの強化を、また、事務処理面では正確かつ厳正な取扱いを心がけることで、ミス・事故・不祥事件等の発生およびそれに付随する損失等を未然に防止するように努めています。
さらに、事務システム部を事務局としたオペレーショナルリスク管理委員会を毎月開催し、事務リスク、システムリスク等について総合的に把握・管理しリスクの対応方針を審議しています。
情報セキュリティ管理体制
お客さまの情報については、外部への漏洩や、紛失、改ざんおよび災害による消失等の様々なリスクを充分認識したうえで、こうした脅威から保護するための安全対策の方針を明確にするため、情報資産保護の基本方針、いわゆる「セキュリティポリシー」を平成12年に制定しました。さらに、より具体的な規程として、情報の取扱いに関する規程である「情報管理規程」を、また、コンピュータシステムに関する管理規程である「システム関連リスク管理規程」を制定しています。
これに基づき、各支店本部に、それぞれ情報管理責任者を置き、所属職員に対する教育や、安全対策の徹底を図る等、顧客情報の厳正な取扱いと管理の実践に努めています。
個人情報保護については、平成17年4月より個人情報保護法の全面施行に対応し、オペレーショナルリスク管理委員会の委員長を「個人データ管理責任者」、各部店長を「個人データ管理者」として設置しました。また、個人情報を適正かつ安全に取扱うこと等を宣言する、いわゆる「プライバシーポリシー」を公表しています。
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