愛知県は、肩書をあまり気にせず人としてお付き合いする方が多く、アットホームな土地柄だと思います。私は経営者の方々とお話しさせていただく機会が多くありますが、会社で言えば、何かを議論するときに肩書に関係なく自分の意見を言い合う風土を持っているように感じます。
これまでの銀行は、いわゆるお堅い業種とされてきました。何でも杓子定規というか、規則に縛られてきたように思います。でもこれは仕方がない側面もあり、法律でほとんどのことが決められ、多くの制約に縛られてきました。
しかし近年、様々な法改正が行われ、銀行経営に自由度が高められた結果、銀行の可能性が格段に高まりました。
さらに、顧客ニーズの多様化から、「お金をお貸しする」ということだけでは、企業に対しても、個人に対しても、十分なサポートとは言えない時代になってきたのです。
自動車業界が100年に一度の大改革の時代と言われているのに、ここで銀行も変わらなくていいのか。変わらないということは、世の中からとり残されていくことではないか、と私は思います。
名古屋銀行は、1949年に創立した銀行業界では比較的若い銀行です。1962年頃にできた社是「地域社会の繁栄に奉仕する」のもと、地元に根付く地方銀行として発展してきました。
創業時は新興企業が当行のような若い銀行からお金を借りることでお互いに成長を遂げてきました。若い銀行だからこそ堅実主義ではなく新しいことにチャレンジしてきました。
このようなチャレンジしていく姿勢は現在も変わりません。地域社会へ貢献するために行員が新しいことへ挑戦を続け、自分自身の成長や幸せにつなげていく。その中で自分を育ててくれた地元に恩返しするため、お客さまの明るい未来につながる成長と発展や幸せを創り上げていきたいと思います。
2023年4月に発表した経営計画で、2030年度にありたい姿として「お客さまとともに成長する地域No.1金融グループ」と表しました。「地域No.1」とは、お客さまの未来のために一番にお役に立ち、一番に頼りにされる銀行でありたいという思いです。そして「金融グループ」とは従来の銀行業にとらわれない、様々なソリューションをグループ企業とともに提供していきたいという思いです。
当行は、お客さまの課題解決に真摯に取り組む中で、お客さまとともに明るい未来を創り出す「未来創造業」を掲げ、今まさに大きく前進しています。
行内においても人こそ資産であるという考えのもとに人的資本戦略を取入れ、多様な行員が働きやすい組織づくりに取り組んでいます。柔軟な働き方への対応やDX化による業務効率化やサービス力の向上はもちろん、健康経営を推進し行員やそのご家族のこころとからだの健康を守ること、さん付け呼称の推奨やドレスコードフリーなど、行員からの意見を実現した制度も多く出てくるようになりました。
「自分を試してみたいという方」や「地域に貢献したいという強い思いのある方」に入行して頂きたいです。多様なお客さまがいるからこそ多様性のある個性を持った方と共に働きたいです。
これからは、若い世代が会社に合わせるのではなく、会社が若い世代の意見を取り入れ合わせていき従業員を大切にする、そのような安心した職場環境の中で自分の力を信じて働いて欲しいと思います。
これまで話したことの根底にあるのは「お客さまのために、できることは何でもしたい」という思いです。だからこそ名古屋銀行では、自らを銀行業ではなく、未来創造業だと変えてきました。法人のお客さまと「会社の発展につながる未来」を創りたい。個人のお客さまと「家族の幸せにつながる未来」を創りたい。私たちが変わることで、お客さまと未来を創りたいのです。
お客さまに寄り添うのは行員全員です。だからこそ私は、お客さまと同じように「行員のために、できることは何でもしたい」。この地域をより幸せな地域にしたいのであれば、行員も地域の一員であることを忘れてはいけません。「行員と家族の幸せにつながる未来」を創造することもまた、経営者の役割だと私は思っています。
私たちと一緒に、あなたの幸せにつながる未来を創造しませんか。