名銀ジョイント
- 地方銀行の新たな
可能性を拓く
「名銀ジョイント」の
躍進に迫る。
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名古屋銀行が開催する独自のビジネス商談会「名銀ジョイント」。「名銀ジョイント」の考案者や商談会の企画・運営をする法人営業部、出展するお客さまを集める渉外グループ、といったさまざまな役割を持つ行員の声からこの取り組みが始まった背景や今後の展望に迫ります。
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加藤貴仁
法人営業部
係長
2007年入行 -
山田剛義
上前津支店
渉外グループ
課長
2006年入行 -
武山雅俊
本店営業部
渉外第1グループ
係長
2007年入行
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バイヤーの思い、サプライヤーの思い、
そして銀行の思いまでもつなぐ
「名銀ジョイント」。
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低金利政策やFinTechの成長などを背景に、金融業界は今まさに変革のときを迎えている。その動きにともない、全国の銀行はこれまでの代表的業務であったお金の貸付のみに依存することのない新たなビジネスモデルの創出に取り組んでいる。そのような業界背景の中で「名銀ジョイント」が生まれたのは2016年。当時、法人営業部にいた山田はさまざまな業種で商品の売り手や買い手を求める声を耳にし、「逆見本市」形式の商談会があれば、ミスマッチも少なくお客さまの販路拡大につながると感じていた。
「当行にそのような商談会を実現するため、『名銀ジョイント』の構想を立てました。そしてちょうど同じようなタイミングで、中日本高速道路さまが地元の商材を探しているという話があったんです。そこで、第1回『名銀ジョイント』の名称で、サービスエリア・パーキングエリアをバイヤーとした商談会を開催しました」。商談会は見事成功し、その後は名古屋銀行が提供できるソリューションメニューとして定着した「名銀ジョイント」だが、バイヤー企業を募るときは苦労もあったと山田は語る。
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「当行として取引のない企業に飛び込みで営業に行ったりすることもあり、いちから関係づくりをする苦労はありました。ただ、地方銀行という立場からお話をさせていただくことは、一定の信用を得られるためありがたかったです。お伺いするときは、一般的な商談会との違いもアピールしていました。すでに意欲のある企業は一般的な商談会に出展されていると思うんです。しかし、当行が行う商談会は、サプライヤーに当行から直接お声かけをしているので、通常の商談会では出会えない未発掘な商材を見つけやすいとご案内していました。そこが差別化になると思ったので」。
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長年、多くの地元中小企業とお付き合いがある名古屋銀行だからこそできる発信力を活かした「名銀ジョイント」は、あらゆる業種のバイヤーを迎えながら現在までサービスの拡大を続けている。目に見えた変化では、他の金融機関や商工会議所を巻き込むようなスケールの大きな商談会へと発展。また、商談のみの場に終わらせるのではなく、ともに商品の価値をより高められるような工夫として、女性活躍推進プロジェクトチーム「チームひまわり」が女性の意見を取り入れるためのワークショップを行うなど、単なる商談会という枠組みを超えた進化をしている。
今では他行との差別化にもなる名古屋銀行の強みへと成長を遂げた「名銀ジョイント」を通じて、山田は「バイヤー、サプライヤーともに喜んでいただき最終的には当行との取引意義も明確になるという点で“三方良し”の商談会になり、企画して本当によかった」と語った。
「名銀ジョイント」にも宿る
“地域社会の繁栄”を願うDNA。
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「名銀ジョイント」を開催する準備には、名古屋銀行内でも役割の異なったいくつもの職種の行員が携わっている。法人営業部の加藤の役割は、ニーズをもとにバイヤーの企業と商談会の内容を決めることだ。
「たとえばリゾートトラストさまの事例では、まず、同社が新たに愛知県蒲郡市に会員制のリゾートホテル『ラグーナベイコート倶楽部』をオープンするという情報をキャッチしました。そして、私が直接訪問をして新施設で扱う商材を募集しませんか?とご提案したところ、ニーズが合致し『名銀ジョイント』を企画させていただくことになりました。そこからは、より詳しいご要望をまとめたチラシを各営業店へと展開し、各自がマッチしそうな商材を扱う企業があれば随時ご案内してもらうという一連の流れで、『名銀ジョイント』の開催へ向けて進行管理をしていきます」。
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数々の「名銀ジョイント」を手がけてきた加藤にバイヤーと交渉する上での心構えを語ってもらうと、商談会の成立をゴールにするのではない、名古屋銀行行員の基本姿勢が見えてきた。
「私の場合は常に、お客さまがどういう経営課題を抱えているのかをしっかり理解することを心がけています。たとえば、人手不足で困ってらっしゃるなら、どんな人を求めているのかという点です。お客さまとコミュニケーションをとりながら課題を深く理解することで、私たちが提供できる営業メニューもたくさんあります。『名銀ジョイント』はその中のひとつです。お客さまの課題に応えるメニューが『名銀ジョイント』だとすると、まずは商材のニーズを詳しくうかがいます。そして、ご要望にあったサプライヤーにたくさん出展してもらえれば、お客さまはより多くの企業と商談していただけます。そういったことの積み重ねが、お客さまの“ありがとう”という声につながっていくのかと思います」。
「名銀ジョイント」はお客さまの課題に応えるためのメニューのひとつ。加藤が語ったこの言葉の中に、業界の変革の中で新たなことに取り組みつつも、その根底には“地域社会の繁栄”を忘れることのない名古屋銀行のDNAが垣間見えた。
名古屋銀行の財産は、
地域の声に秘められた “情報”。
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「名銀ジョイント」は、地方銀行ならではの性質を活かして市場のニーズに応えるサービスを生み出した成功例といえるだろう。では、これから先に名古屋銀行が提供できる新たなサービスは、どのようなものがあるのだろうか?日ごろから地域のさまざまなお客さまのもとへと出向き、常に地元の生の声を聞いている渉外の武山には、現場の最前線にいる者ならではの考えがある。
「『名銀ジョイント』に携わる中で、地元の中小企業が大手企業とマッチングしていく様子をいくつも見てきて、たとえば商談会という形ではなくとも、企業の商品を他の企業に私たちが売り込んでいくような商社的な動きもできるのではないかと感じています。現在でも個人という単位では実際に同様の動きはあったりするのですが、組織化してもっと大々的に取り組んでいったら面白くなると思うんです」。
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このようなアイデアはどこから生まれるのか、武山の発想の源は“地域の声”にあった。
「銀行は法人や個人を問わず地域の“情報”が集まってきやすい場所だと思うんです。それをどういった形で展開していくか、というところに名古屋銀行ならではの発想があるのかなと思います。まず、地方銀行ですので地域貢献を念頭に、先ほどの地域商社のようなかたちで、この地元や近隣もふくめて“情報”をつなぎあわせてビジネス化していける方法を考えたいです」。
武山と同じく、「名銀ジョイント」考案者の山田も名古屋銀行の財産は“情報”だと語る。
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「銀行の業務は基本的にはお金を貸すことです。そこに、私たちが強みとして扱えるものはやはり“情報”がすべてだと思います。今回の『名銀ジョイント』の話もそうで、売りたい、買いたいというニーズも“情報”のひとつです。『名銀ジョイント』というのは、基本業務に付帯するお客さまの企業価値を高めるためのコンサルティング業務。お客さまと接するときには、そういったコンサルティングの視点をもって営業することが、これからますます重要になるポイントだと思います」。
今日も名古屋銀行では地域社会をもっと活性化させるため、企業の新たなビジネス機会や新しいサービスが続々と生まれている。ここには、地域中から集まる膨大な“情報”がある。そして、自分の考えたことを自ら実行できる環境がある。次の名古屋銀行を、あなたならどうつくるだろう?

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「名銀ジョイント」がなければ
商談の機会がなかった企業さまと
取引を開始することができました。リゾートトラスト株式会社
主事 小鹿 聖史当社は会員制ホテル事業を軸としています。当社施設の「ベイコート倶楽部」がオープンするタイミングに、他部署から名古屋銀行さまの紹介がありました。銀行は堅いイメージがあったのですが、名古屋銀行の皆さんは明るく物腰の柔らかい人ばかりで好印象を抱いたことを覚えています。商談会の内容も東海地方だけではなく全国の会社さまとマッチングできるという点が魅力的でした。実際に「名銀ジョイント」に参加したおかげで、これまでは商談の機会がなかった企業さまと取引を開始することができ、当社の各施設で新商品を扱えるようになりました。