チームひまわり

名古屋銀行の
ダイバーシティに挑む
「チームひまわり」の
正体とは。

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近年、 社会のあらゆる現場で“女性の活躍”がキーワードとなっています。
そんな社会的背景の中で、名古屋銀行では女性活躍推進プロジェクトチーム「チームひまわり」が誕生しました。年々メンバーを増やし、活躍の場を広げている彼女たちの取り組みを紹介します。

MEMBER

  • 宮坂悠恵

    個人営業部
    エリアサポート担当
    2007年入行

  • 横山喜美

    法人営業部
    係長
    2008年入行

  • 服部沙由理

    人材開発部
    係長
    2005年入行

  • 辻田祐衣

    岡崎南支店
    渉外グループPC
    (パーソナル・コンシェルジュ)
    2014年入行

女性活躍の風土があった名古屋銀行を
「チームひまわり」が、さらに活性化する。

“すべての女性が輝く社会づくり”の実現をめざし、日本では2015年9月に女性の職業生活における活躍の推進に関する法律「女性活躍推進法」が制定された。そんな国の動きよりも少し前、2015年4月に名古屋銀行は行内の女性活躍の場を広げるために「ポジティブ・アクション宣言」を掲げ、女性の働き方、ワークライフバランスを見直している。このような動きの中核にあるのが、同年の8月に生まれた女性活躍推進プロジェクトチーム「チームひまわり」だ。より詳しい背景について、当時の発足にも携わったメンバーで、現サブリーダーである横山が語った。

「銀行ってどうしても、保守的なイメージがあると思うんです。店頭にいるのは女性で、営業は男性という。しかし、そういう風潮って変えていかなければなりませんよね。そのために女性と男性の双方の意識改革をめざして、名古屋銀行には以前からダイバーシティ推進のためにどのようなことをしていくか等の方針を考えるための『ワーキンググループ』がありました。その動きをより本格化させるためにできたのが『チームひまわり』です」。

同じくサブリーダーの服部は、とはいえ「チームひまわり」の発足前から名古屋銀行には女性活躍の風土自体はあったのではないかと振り返った。

「店頭窓口はもともと“銀行の顔”でもあるため女性行員が多く、各店舗の支店長も女性を頼りにしているところは以前からありました。接客対応や接遇は女性ならではのきめ細かい目線が活きるところだと思うので、そういったところから活躍の風土は根付いていたのかなと思います」。

もとからあった風土に加え、女性行員の具体的な働き方の変化について店頭窓口の経験を持つ宮坂が言及する。

「私はもともと店頭にいたのですが、より個人のお客さまを大切にする渉外としてPC(パーソナルコンシェルジュ)という職種ができ異動のお話をいただきました。そのときは、外に出て自分でお客さまに営業ができるんだと思って嬉しかったことを覚えています。また、私もそうなのですが、最近では育児との両立行員も増えました。私が入行した当初は今ほど多くはなかったと思うのですが、今では育休復帰をする行員が95%を超えています。妊娠の報告をしても『今はとにかく安全に産んで戻ってきてね』と言ってもらえる環境があるので、育児についての理解は全店舗に浸透していると思います」。

もとから女性活躍の風土が根付く名古屋銀行では性別関係なくチャレンジを支援する仕組みが整い、今ではより女性が活躍しやすい環境ができた。「チームひまわり」だけではなく、名古屋銀行を牽引する女性行員はこれからますます増えていくことだろう。

女性の感性であらゆる課題に
意見を提案する。

「チームひまわり」では、具体的にどんなことをやっているのだろう。岡崎南支店から「チームひまわり」に抜擢されている辻田がその活動内容とその意義を語る。

「大きくは行内向けと行外向けの内容があるのですが、みんなで議題について話し合って女性の意見を反映することが主な活動内容です。あと、これは個人的に感じていることですが、私は普段支店で働いていて銀行全体を考えるような視点を持ちづらいのですが、『チームひまわり』に入ってからは銀行全体の動きや課題が見えるようになり視野が広がりました。

通販生活ワークショップ

「チームひまわり」で取り上げる議題は、自分たちで提起する場合もあれば、最近では各部署から依頼されることも増えている。しかし、今でこそ行内から頼られる存在となった「チームひまわり」だが、発足当初はまだチームの役割が確立しておらず、行内でもあまり知られていなかったようだ。チームひまわりが現在のように認知されるようになったのは、カタログハウスが発行する通販生活のワークショップの事例がきっかけになったと横山は言う。

「法人営業部からの情報に着目し、カタログハウスさまの発行する通販生活のターゲットは主婦の方が多いため、女性の意見が商品開発のためのヒントになるのではないかということでワークショップをやらせてもらいました。実際に出品を考えている商品を見せていただきその場で意見交換をするという内容です。この案件はマスコミにも取り上げていただけたので『チームひまわり』の行内外へのアピールにもなったのかなと思います」。

創業Café Woman運営

通販生活の事例ができてからは、「チームひまわり」の活動の範囲は広がり続けている。2019年から始まった「創業Café Woman」について宮坂が話す。

「名古屋銀行では、もともと創業者を応援する企画も以前から実施しているのですが、女性の創業者の応援に特化したものをつくりたいということで始まったのが『創業Café Woman』です。経営者の女性やこれから創業をめざす女性を対象に、外部の講師と地元の支援機関等にも協力いただき開催しました。『チームひまわり』も経営者の視点から一歩引いた女性目線・銀行員としての目線で参画し、参加された方々からはいろいろな方と意見交換ができると喜ばれています」。

行外での活躍だけではなく、その細かな目配りを活かして行内での実績も増やし続けている。たとえば、行員全員がしているネームプレートの新調は「チームひまわり」が監修したものであり、現在は営業時に使用する新しいカバンを企画中だ。

業務用カバンの企画会議

「チームひまわり」が
特別な存在のままではいけない。

「チームひまわり」の新しい取り組みに「ひまわりキャラバン」というものがある。服部には、この取り組みの背景に特別な思いがあるようだ。

「ありがたいことに、今ではいろいろな取り組みに参加している『チームひまわり』ですが、残念ながらまだその活動の目的は正しく認知されてはいないと思うんです。もとはダイバーシティを背景に生まれたプロジェクトチームのはずなので、本来の意味を考えると『チームひまわり』が考えるだけではなくて、行員一人ひとりがもっと銀行全体のことを自分ごととして捉えるようにならなくては、ダイバーシティの風土は育ちません。そこで、『チームひまわり』のことを正しく知ってもらう周知活動とポジションの異なる方々の意見を集約するという2軸を目的とするのが『ひまわりキャラバン』です。内容としては、今は主に会議室で活動を行なっているのですが、会議室から飛び出して『チームひまわり』が現場の声を聞きに行きます。まだまだ始まったばかりの活動ですが、全店舗まわりたいと思います」。

活動の実績だけを見れば華やかなプロジェクトチームのように感じるが、実際は普段の業務と「チームひまわり」を掛け持ち、さらには育児まで両立するメンバーもいる。そんな中でも名古屋銀行の未来を真剣に考える彼女たち。今後「チームひまわり」はどうなるべきか、横山はこう語った。

「ゆくゆくは、皆さんから意見をいただいて、その声をいろんなところへ届けられるチームになりたいですね。私たちが主役で動くというよりは、一人ひとりが変えていきたいという思いを受け取って、個人では届けられないことをチームとして行内に伝えていく存在になれたらと思います」。

ダイバーシティの実践はあらゆる現場で試行錯誤が行われている。意見や価値観が違って当然の人の思いを認め合い、すり合わせることは相当に険しい道のりがあるだろう。しかし、一人ひとりが自分ごととして銀行を見つめ思いを巡らす、「チームひまわり」のメンバーのような姿勢を行員全員が身につけることができれば、本当の意味でダイバーシティの進んだ環境ができあがるはずだ。