外国為替取引に関する取組基本方針

1.序文

  1. この外国為替取引に関する取組基本方針(以下、「本方針」といいます)は、株式会社名古屋銀行(以下、「当行」といいます)がグローバル外為行動規範に則して外国為替取引業務へ取組むにあたり、お客さまにとって特に重要となる情報をご提供することを目的としています。
  2. グローバル外為行動規範とは、国際決済銀行(BIS)における作業部会により、外国為替市場におけるグローバルで共通の行動規範として発効された行動規範のことを指します。頑健、公正で流動性が高く、開かれた、適度に透明な外国為替市場を目指すことを目的としており、適用対象は金融機関のみならず、全ての外為ホールセール市場参加者とされています。
  3. 本方針の内容がお客さまと個別に契約・合意した内容と異なる場合、お客さまとの個別の契約・合意した内容が優先されます。

2.取引におけるお客さまと当行との関係について

  1. 当行は外国為替市場のディーラーであり、取引の価格提示、受注、執行、その他の関連業務を行っています。
  2. 当行はお客さまと個別に取り決めを行った場合を除き、原則プリンシパルとして外国為替取引業務に従事します。プリンシパルとは、自己の名義で取引を行う市場参加者のことをいい、当行は取引当事者として、お客さまのオーダーや関連する取引におけるマーケットリスク、信用リスク等のリスクを引き受けて行動いたします。また別段の合意がない限り、当行はお客さまの代理人、受託者もしくは金融アドバイザーまたはそれらに類似する立場において行動するものではありません。
  3. 当行が外国為替取引を執行するにあたり、当行およびお客さまの利益が相反する可能性があります。当行は外国為替取引に関して、誠実に業務を履行し、また、外国為替市場に適用されるあらゆる法律、規則、および規制を理解し遵守します。

3.取引執行について

  1. 当行は外国為替取引に関して、誠実性、透明性および公平性をもって業務を履行するとともに、適時・適切なタイミングでお客さまに有用な情報を提供することで、お客さまの外国為替取引に関する理解を高められるように努めます。
  2. 当行はお客さまとの取引において、社外のベンダー(市場価格等提供業者)が提供する電子プラットフォームを利用することがあり、当該プラットフォームの仕様に基づき、お客さまへ為替レートを提示します。
  3. 当行がお客さまの注文の執行(一部または全てを問わず)が完了したと判断したことをもって取引約定となり、マーケットリスクは、取引が約定されたタイミングでお客さまに移転されます。
  4. 当行は、お客さまの取引に関するご要望を満たすため、特に明確に合意されていない限り、お客さまの注文を他のお客さまの注文と同時に取り扱うか、時間順で取り扱うか、注文を執行するかどうか、いつどのように執行するか、一部または全てを実行するかなどについて、合理的な裁量を有します。
  5. 当行は、お客さまの取引に関するご要望に機動的にお応えすることや当行自身のリスク管理を目的に、適切と判断する手法により、お客さまとの取引の前にカバー取引を行う場合があります(プリヘッジ)。当行がプリヘッジを行う場合、お客さまに不利益を与える、または市場を混乱させる意図は持たずに行います。プリヘッジは、当行が各取引においてお客さまに提示することができる価格およびお客さまの取引依頼を執行するための市場の流動性に影響することがあり、当行に利益や損失を及ぼすこともあります。
  6. 当行は、お客さまからのオーダーの受付や執行の時刻等について取引の形態に応じ、可能な限り速やかに記録する態勢としています。
  7. リスク管理、流動性の確保、システム障害またはその他の理由により、お客さまの取引依頼および注文を受け付けることができない場合がございます。
  8. 当行の提示する為替レートは、様々な情報や需給・流動性・イベント・指標等を参照のうえ、総合的な判断により決定されます。また、お客さまは参照価格(高値および安値を含む)について、当行にご照会いただくことも可能です。
  9. 別段の合意がない限り、お客さまの最終的な取引価格は、マークアップを加えた価格(オールインレート)となります。マークアップとは当行が引き受けるリスク、発生する費用、および特定のお客さまに対して提供するサービス等の対価として当行に支払われるべきスプレッドまたは手数料です。マークアップを決める要素としては、通貨、金額、期間、市場環境(流動性やイベント)、お客さまの信用状況・取引状況等があります。同一または類似の取引においても、お客さまの信用状況や市場環境等によっては、異なる取引価格となることがあります。当行は取引から得る当行の収益額およびオールインレートの内訳を開示する責務を負いません。指値注文の場合、市場実勢が指値価格に到達したとしても、マークアップを含んだレートでは到達していない等、注文が執行されないこともあります。

4.電子取引について

  1. 当行ではインターネットを経由した外国為替の電子取引サービスを提供しています。ご利用にあたっては、各サービスに関係する利用規定やご利用マニュアルを合わせてご確認ください。
  2. お客さまが当行の電子取引プラットフォーム上で出すオーダーは、ラストルックの対象となることがあります。ラストルックとは電子取引において、取引依頼を受ける市場参加者が、取引依頼について自己の提示価格で執行するか否かについて最終的な判断を下す機会を与えられる慣行のことです。ラストルックに基づき、電子取引において、当行が取引価格を提示し、お客さまからの取引依頼をお引き受けするまでの間に、市場実勢の価格が当行にとって不利に動いた場合等、当行は、リスク管理上の理由で当該取引をお断りすることがあります。

5.情報の取り扱いについて

  1. 当行は、お客さまの情報の保護を非常に重要なものと考えており、管理ルールを適切に定め、その機密性および安全性の確保に努めています。ただし、監督当局等に対する義務の一環として、監督当局等から要請があれば、お客さまの情報を開示することがあります。
  2. 当行はお客さまの執行された取引に関して、リスク管理やマーケティング、取引のプライシング等の目的で分析に利用することがあります。
  3. 当行はお客さまの注文および執行された取引に関する情報を、適切に合算し匿名化、一般化した上で、他の関連する市場情報と共にマーケットカラー(市場動向概況)として分析し、社内で共有または第三者に対し開示することがあります。

6.本方針の改定について

本方針は外国為替市場に適用される法律、規則及び規制や当行を取り巻く環境の変化等に鑑みて、改定される可能性があります。